作品うp用ブログ。
油彩・立体がメイン。美術に関するあれこれも書いていく。twitter⇒http://twitter.com/2501kai
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やっと展覧会に行けました!最近はごたごたとしていて精神的に行ける余裕も無かったのですが、やっぱりいいですね。まだまだ行きたい展覧会がたくさんあるので、これからどんどん行く予定を立てないと会期が終わってしまう!
国立科学博物館の「インカ帝国」展に行ってきました。
ゴールデンウィーク後の平日だというのに結構人が入っていました。古代遺跡への関心が高いですね~。特に今回は実物のミイラが公開されているということで話題性もあるのでしょうが・・・ええ、ミイラ、ありました。数百年数千年の時を経て、現代に、当時亡くなった人達が顔を見せているという事実に不思議な感覚を感じずにはいられません。特に高い地位についていたわけでもない、普通の民の亡骸が、こうして権威ある場所で大切に保管される事になるなんて、当時の人達は考えもしなかったでしょうね・・。
今回の展覧会で、私が特に注目したのは、織物、食器、アクセサリーなど。それらの造形技術、デザインセンスには度肝を抜かれました。これらが作られた時日本はまだ縄文時代。縄で文様施して凄いと言われていた時代です。現代に持ってきてもこれらのデザインは全く古さを感じさせない。食器に施された絵付けなど、少ない色数で非常に豊かな表現が成されていて、一つ部屋においてインテリアにしたいと思うほどでした。この文明がスペインに滅ぼされてしまったのが本当に残念でなりません。当時の金属細工の大半が鋳潰されてしまったなんて信じたくない・・・。
そういった文化だけでなく、行政の方も相当整っていた様が解説されていましたが、あんな高地でよくもまああれだけ広大な領土を治められたものだと感心しました。アップダウンが激しい土地で、街道の整備なんかもしっかりやっていたというのだから驚きです。
そんなわけで、展覧会全体のボリュームはなかなか、見ごたえがあります。映像も交え、最後の方は3Dシアターなども設けられていて結構楽しめました。しかしじっくり見たら時間かかりますねこれは。お勧めの展覧会です。
インカ帝国展の前に、国立科学博物館で開催中の「世界の終わりのものがたり~もはや逃れられない73の問い」展にも行きました。
随分前から目をつけていた展示で、いかにも面白そうだと期待して行きました。展示はかなり凝っていて、ピラミッド状のパネルに問いが書かれ、それに来場者が答えていくという形のものでした。この展示で一番の見所というか魅力は、他者と考え、他者の意見を見て、また自分で考える、という点にあると思います。提示されている問いには、今まで訪れた来場者の意見が残っています。
例えば、「将来あなたがなんの病気になりやすいかがわかるようになったら、事前に知りたいと思いますか?」という問い。私達が行った時は知りたいと答えていた人が多数でした。どういった観点から、大多数の人が自分のかかりやすい病気を知りたいと思うのか、知りたくないと思ったのか、それを想像するのも楽しいですし、何より自分と一緒に来た人と話しながら互いの意見を交換できるという点がとても魅力的です。
是非一人ではなく、誰かと一緒に行くことをお勧めします。生命倫理など、日常生活では普段あまり話題にならないテーマなので、そういった議題をきっかけにして、相手の意外な価値観がわかる、なんてこともあると思います。
なにか技術を紹介するとか、珍しいものが展示されているとか、そういった展覧会ではなく多少面白みには欠けるかもしれませんが、タイトルにもあるように問題提起を目的としているので、非常に有意義な展示だと思います。もっともっと、この展示に行く人が増えればいいな・・・。
国立科学博物館の「インカ帝国」展に行ってきました。
ゴールデンウィーク後の平日だというのに結構人が入っていました。古代遺跡への関心が高いですね~。特に今回は実物のミイラが公開されているということで話題性もあるのでしょうが・・・ええ、ミイラ、ありました。数百年数千年の時を経て、現代に、当時亡くなった人達が顔を見せているという事実に不思議な感覚を感じずにはいられません。特に高い地位についていたわけでもない、普通の民の亡骸が、こうして権威ある場所で大切に保管される事になるなんて、当時の人達は考えもしなかったでしょうね・・。
今回の展覧会で、私が特に注目したのは、織物、食器、アクセサリーなど。それらの造形技術、デザインセンスには度肝を抜かれました。これらが作られた時日本はまだ縄文時代。縄で文様施して凄いと言われていた時代です。現代に持ってきてもこれらのデザインは全く古さを感じさせない。食器に施された絵付けなど、少ない色数で非常に豊かな表現が成されていて、一つ部屋においてインテリアにしたいと思うほどでした。この文明がスペインに滅ぼされてしまったのが本当に残念でなりません。当時の金属細工の大半が鋳潰されてしまったなんて信じたくない・・・。
そういった文化だけでなく、行政の方も相当整っていた様が解説されていましたが、あんな高地でよくもまああれだけ広大な領土を治められたものだと感心しました。アップダウンが激しい土地で、街道の整備なんかもしっかりやっていたというのだから驚きです。
そんなわけで、展覧会全体のボリュームはなかなか、見ごたえがあります。映像も交え、最後の方は3Dシアターなども設けられていて結構楽しめました。しかしじっくり見たら時間かかりますねこれは。お勧めの展覧会です。
インカ帝国展の前に、国立科学博物館で開催中の「世界の終わりのものがたり~もはや逃れられない73の問い」展にも行きました。
随分前から目をつけていた展示で、いかにも面白そうだと期待して行きました。展示はかなり凝っていて、ピラミッド状のパネルに問いが書かれ、それに来場者が答えていくという形のものでした。この展示で一番の見所というか魅力は、他者と考え、他者の意見を見て、また自分で考える、という点にあると思います。提示されている問いには、今まで訪れた来場者の意見が残っています。
例えば、「将来あなたがなんの病気になりやすいかがわかるようになったら、事前に知りたいと思いますか?」という問い。私達が行った時は知りたいと答えていた人が多数でした。どういった観点から、大多数の人が自分のかかりやすい病気を知りたいと思うのか、知りたくないと思ったのか、それを想像するのも楽しいですし、何より自分と一緒に来た人と話しながら互いの意見を交換できるという点がとても魅力的です。
是非一人ではなく、誰かと一緒に行くことをお勧めします。生命倫理など、日常生活では普段あまり話題にならないテーマなので、そういった議題をきっかけにして、相手の意外な価値観がわかる、なんてこともあると思います。
なにか技術を紹介するとか、珍しいものが展示されているとか、そういった展覧会ではなく多少面白みには欠けるかもしれませんが、タイトルにもあるように問題提起を目的としているので、非常に有意義な展示だと思います。もっともっと、この展示に行く人が増えればいいな・・・。
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三菱一号館美術館にルドン展を見に行ってきました。
ルドンは前期の黒い版画シリーズが断然好きだったのですが、この展覧会に行って色彩の画家としての本気を見た気がします。結局ルドンの作品は最後まで版画的な表現は残るのですが、一体何が起こったのかと思うほどに描く対象も表現方法もガラッと変わっているので興味深いです。
また、グラン・ブーケを見ても瞭然なように、パステルで描くのが性に合っていたらしく、油彩でもパステルで描いたようになっているのがおもしろい。自然にそうなったのか、それとも意図的であったのかは定かではないが、色彩の画家、と称されるだけの事はあり、花の絵などは1輪1輪の花の色を殆ど損なわずに、大切にしながら描いているような印象を受けました。
事前に調べていかなかったので、ムンクやゴーギャンなどの版画が来ていて驚きました。場所も場所ですし、作風も最初は少々不気味ですが、見ていて柔らかな気持ちになる作品ばかりなのでデートなどにはいいかもしれない・・。
ルドンは前期の黒い版画シリーズが断然好きだったのですが、この展覧会に行って色彩の画家としての本気を見た気がします。結局ルドンの作品は最後まで版画的な表現は残るのですが、一体何が起こったのかと思うほどに描く対象も表現方法もガラッと変わっているので興味深いです。
また、グラン・ブーケを見ても瞭然なように、パステルで描くのが性に合っていたらしく、油彩でもパステルで描いたようになっているのがおもしろい。自然にそうなったのか、それとも意図的であったのかは定かではないが、色彩の画家、と称されるだけの事はあり、花の絵などは1輪1輪の花の色を殆ど損なわずに、大切にしながら描いているような印象を受けました。
事前に調べていかなかったので、ムンクやゴーギャンなどの版画が来ていて驚きました。場所も場所ですし、作風も最初は少々不気味ですが、見ていて柔らかな気持ちになる作品ばかりなのでデートなどにはいいかもしれない・・。