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作品うp用ブログ。 油彩・立体がメイン。美術に関するあれこれも書いていく。twitter⇒http://twitter.com/2501kai
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*今回は、少々暴走気味です

「デザインあ」展絶対行った方がいいです。この展覧会を見てからというもの、会う人会う人に布教しまくっています。おとなもこどももおねえさんも。番組を知っていても知らなくても、あ!なるほど!と思うギミックが満載。
特に映像と音楽の部屋にはいつまでもいたくなります。空間と映像の使い方に圧倒され、感動しました。どの映像も素晴らしい。文章では全く良さを伝えられないので、体感するに限ります。
日常に溢れる様々なものに潜んでいるデザイン。お寿司一つとってみても、人間の一口にあう大きさにきちんと考えられている。何気なく手に取るお札だって、よくよく見てみれば美しい意匠が施されていることに気付いてはっとする。世界に目を向ければ、1円硬貨だって本当に様々なデザインがある。会場に来ている人たちの考えた“あ”のデザインを見ると、自分では思いもよらないひらめきに感心する。心動かされる展覧会でした。GWには是非行ってみてください。すごく混むと思いますが・・。

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ご無沙汰しております。
多忙ではありましたが、作品も徐々に仕上がってきています。
最近はクラシックを聴きはじめていて、特にオペラを聴くようになりました。その感想も後日書こうと思っています。ルサルカ、ばらの騎士、ローエングリンに続いて、パルジファルを見ました。とても刺激的です。

では、フランシス・ベーコン展の感想です。

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なんとまあ久々の更新でしょう。仕事が忙しくを言い訳にはできませんが、精神的に参っていたのも手伝って、かなり更新に間が開いてしまいました。せめて月2くらいは更新できるように頑張ります・・。

それはそうと、土曜日にエル・グレコ展と円空展行ってきました。



エル・グレコ展は思ったほど混んでないのでじっくり見られた。色彩の鮮やかさと、あの時代にしてはあまりに現代的な画風。多分様々な画家が影響されたに違いない。ピカソ然り。
無原罪の御宿りはやはり見上げる構図がベストに描かれている。見上げると"そこにいる"感がすごい。実際見ると描かれた人でみっちり埋まってるが、見上げるときちんと雲間の先の空(神のいるであろう場所)が見えるように配置され、目線が誘われる。エル・グレコは光も構図も非常に効果的に使う。だからか、絵がとても演劇的だなと感じた。グレコの描いた宗教画の構図使って舞台が組めそうだ。描かれた人物は"動いている人を描いた"という雰囲気があるので尚更。建築物の描写なども巧みではあるが、人物の生き生きした描写と比べると熱の入れ方が違う。肖像画を見ても、よくわかる。グレコの使う荒いタッチがその効果をさらに高めている。だからか、写真のブレみたいに描かれているところが肖像画によく見られた。珍しい。
会場はほぼグレコの作品のみで構成され、作品数もあるので満足感があった。図録は、はっきり言ってひどい。グレコの鮮やかな色彩と劇的な光を写真に収めるのには苦戦したのだろうが、それにしても色が変わりすぎである。本当に酷いものだと絵の表面がフラッシュの光で反射しているように見える。まあでも買いましたけどね?

円空展は本館の一室を使って開催されているのでそれほど広くはない。飛騨の森をイメージした会場のつくりだったが、円空の作る仏の、どこかのどかな雰囲気にはまっていたように思う。それにしても円空の仏像は、背中がばっさりと断ち落とされているのにどうしてこんなにも厚みを感じるのか。無駄なものは何もなく、必要なものだけが残っている。人々の身近に信仰される仏としての親しみと威厳、それから神秘。恐ろしい顔をしているとされる不動明王や仁王像でさえも、どこか親しみを込めた笑みを湛え、にも関わらずそこにはきちんとその神らしい威厳が漂っている。木の中に仏を見つけ、手をいれるのは最小限といった感じだ。鑿の跡も鮮やかで、どこにも無駄が見当たらないのに愛が溢れている。なんだかもう…この仏さん達、夜になったら話でも始めるんじゃなかろうかと思うほどの不思議空間である。両面宿儺は、傑作と言われるに相応しいと言うと陳腐だ。炎風吹き荒ぶ崖の上にゆったりと腰掛け、下界の人間達を不敵な笑みで見下ろしている姿。最小限の彫りで、よく動きや表情、情景など表現できるものだとただただ感嘆。信仰されるに足る、その堂々とした姿をたっぷり拝んできました。会場はそこまで広くないが、飛騨の森の木から生まれた仏像達に囲まれていると何故だかとても落ち着く。長居したくなる展覧会だった。

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上野にリニューアルオープンした東京都美術館で開催中の、マウリッツハイス美術館展に行ってきました。
平日に行きましたが入場まで40分待ちです。やっぱりね!とはいえあのダ・ヴィンチ「受胎告知」の時の悪夢に比べればどうということはありませんやな。待機は殆ど冷房の効いた館内でしたし。とはいえ休日に行ったらどうなっているのか・・恐ろしくて確かめる気にはなれません。

今回の展覧会は17世紀オランダの経済発展の時期を扱っています。海外との貿易によって裕福になったため、絵画の雰囲気は全体的におおらかでのびのびとしています。後述するベルリン美術館展で、前後の時代の絵画と比較してみると特にその傾向は顕著です。展覧会では、美術館の歴史、風景画、物語・歴史画、肖像画、静物画、風俗画と6つのセクションに分かれていて、オランダ黄金時代の絵画市場がどのようになっていたのかがわかります。

特に充実しているのは肖像画のエリアでした。フェルメールは勿論、同時代に活躍したレンブラントやフランス・ハルスの絵画が見られます。この頃の肖像画は裕福になった商人たちからの注文を受けて制作されるケースが殆どだったようなので、依頼主の容貌を忠実に再現しようとする反面、絵画の中に“表現をしよう”という意識が見て取れます。王族や貴族の肖像画のような動きがなく気取った微笑を浮かべている作品は少ないです。大概その人物の性格を現すような表情・仕草が生き生きと描き込まれていて、今にも画家と依頼主の楽しげなやり取りが聞こえてきそうでした。
また、貿易が盛んであるということは他国の品物が自国に入ってくるということ。この時代には特に植物が多く入ってきて関心が高まっていたようです。そこから花をモチーフに静物画を描くことが盛んになりました。そういえばチューリップバブルもこの時代でしたよね・・。「真珠の耳飾の少女」の頭に巻かれたターバンも、異国文化への関心の産物であることには違いないでしょう。
そんなわけで、絵画ジャンルの中でも今まで低俗とされてきた肖像画、静物画、風俗画、が急速に発展していく様子がよくわかる展覧会です。

また、注目したいのは、キャプションに書かれている「何に」描かれたのかという点です。実はこの時代以前の絵画は板に描くのが主流でした。しかし、17世紀になって貿易が盛んになってくると、船で使う麻布が手に入りやすくなった関係で、板より軽い、布のキャンバスが定着していくという背景があったようです。1世紀近くしか続かなかったとはいえ戦争も無く、経済的にも豊かであるということが絵画の発展に大きく寄与しているのを実感させられます。

個人的には静物画のエリアをもう少し広く取って欲しかったですね。私は静物画、とりわけヴァニタス画(生命の儚さを示す静物画)が大好きで、オランダ絵画といえば静物画でしょう!という人間ですので・・。今回は先程も言った様に「真珠の耳飾の少女」を筆頭とした肖像画に力を入れた展示でしたから望むべくも無いことですが。その今回のメインディッシュ、「真珠の耳飾の少女」は見るのに20分ほど待ちました。待機列と、飛ばして見たい人向けの列が設けられていたので会場の動きは比較的スムーズだったように思います。少女の肌は非常にパウダリーで繊細に描かれています。タッチを残して描かれた衣服がいい対比になっていました。会場はリニューアルしただけあってかなり見やすくなった印象。今度人の少ない時に行ったら導線も確認してこようと思います。

では次はベルリン国立美術館展です。長くなりましたので下に畳みます。

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Bunkamuraミュージアムで今月29日まで開催中のクライドルフの世界展に行ってきました。
夏休み突入ということで中高生やら親子連れが多かったですね。土日に行っていたらどうなっていた事やら・・。
展覧会は明らかに子供を意識した展示でした。入り口にも、顔を入れて写真を撮るあの・・・観光地とかでよく見るアレが置いてありました。中に入ると会場の至るところにクライドルフの妖精さんがいます。絵自体も見ていて飽きないので親子で見るにはうってつけですね。でも親子連れ意識した展示ならもう少し会期延ばしても良かったんじゃあ・・・。

 ファンタジー・メルヘン系の作家は、過去にJ.J.グランヴィルの展覧会を見に行ったことがありますが、またあの人とは違った面白さがありました。グランヴィルはもっぱら風刺的な要素が多く、動植物を描いてはいますが人間の愚かさを表す為の手段としての側面が多く見られました。だからでしょうか、どことなく貴族的で華やかな印象もあります。
 しかしクライドルフは、純粋な植物の擬人化に終始していて、描かれる擬人像もありのまま。庶民的といった感じがします。自然にあるそのままを、身近な人々そのままの姿に映して描いている、という印象でした。
 等身大の自然と人間を描く、というので私がもう一つ思い出す作家は、シシリー・メアリー・パーカーです。花の妖精たちシリーズでおなじみですね。こちらの作品は同じく花と人を扱っていますが、花と、描かれる人(妖精)とは完全に別のもの。人と花と融合したモチーフでも、クライドルフは花の擬人像でメルヘン、シシリー・メアリー・パーカーは花の妖精でファンタジー、という比較ができると思います。

クライドルフは自然をありのままに描くような意識が見受けられるので、素朴で、可愛らしいだけでなく時には死や滅びといったテーマも出てきます。これは前述した二人の作家には見られない特徴です。また、構図や画面の装飾に工夫が見られ、正にアールヌーヴォー様式の絵本作家といったところでしょうか。描かれるテーマや構図に沿って画面の形を変える工夫はかなり参考になりました。時にその画面からも飛び出し、登場人物?達はそれぞれの性格まで非常に生き生きと描写されています。随所に遊び心も散りばめられ、神話や伝承から着想を得ている要素もあるため、1枚の絵をついついじっくりと見てしまいますね。
私は花だけを描いたスケッチが特にお気に入りでした、色彩が宝石のように輝いていて、クライドルフが植物の儚さを留めておきたいから花を描くという理由が本当によくわかります。留めておきたい美しさです。

この展覧会、Bunkamuraミュージアムでは今週末までですが、実は横浜のそごう美術館にも来年巡回してくるとの事。ウワアアアアもっと早く知っていれば来年まで待ってじっくり見たのにイィィィ!!!と思いましたが、おそらく展示の方法は美術館によって違う筈・・と納得しつつ来年来たらまた見に行くと思います。
ちなみにこの展覧会、図録に凝っていまして、とても可愛らしいです。ちょっと予想していた以上に高かったのですが、絵本も付録として付いていたので、まあ納得のお値段かなと思いました。

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そごう美術館で開催中の琳派・若冲と雅の世界展に先月行ってきた感想です。ちょっと今回は親と唐突に行く事になった展覧会だったのでメモなどろくに取れず、展覧会の感想というよりは作品の感想といった感じになってしまいました・・すまぬ。
細見美術館の収蔵品を日本美術の流れに沿って展示するという趣旨なので、メインの琳派・若冲は展覧会広範にあります。
展覧会前半は表題で言うところの“雅な世界”に焦点を当てた展示です。
その中でも特に「十一面観音」や「如意輪観音」の絵はまさに雅と言うに相応しく、セクシーで極楽の花の匂い立つような画面になっていました。また、「平家納経装飾絵巻 模写」には圧倒されました。こんなに豪華な絵巻は見た事が無い!絵巻の芯(?)に水晶をあしらい、全面に金細工をあしらった何とも豪華な作りになっていて、中に使われている紙もきらびやか。「平家納経 経箱」や「伊勢物語かるた」も豪華絢爛。貴族達はこんなに美しいものに囲まれて生活していたのかと、改めて驚嘆せずにはいられません。
展覧会中盤~後半の絵画は構成の妙が光る、洗練された画面が多くなってきます。渡辺始興「簾に秋月図」、中村芳中「花卉図画帖」、鈴木其一「藤花図」が特にお気に入りでした。西洋絵画ではまず滅多にお目にかかれない大胆で洒脱な構図と色そのものの美しさが引き立っている絵です。また、鈴木守一の掛け軸などは、本紙と、その周りを飾る中の関係性が面白く、これも西洋絵画には見られない表現であると感心しました。掛け軸の”中”は所謂、額(ともちょっと違いますが)に当たる部分で、普通は本紙に描かれた絵を引き立たせるのが役目ですが、鈴木守一の描いたそれは、むしろ中がメインなのでは?と思うほど豪華に仕上げられています。本紙と共に中も取り込んで絵を作っていると感じさせる、面白い表現でした。
そして展覧会メインの伊藤若冲ですが、この人はタッチが非常に豊富で、描くものによって適切なタッチを使用することが出来るので、彼が一体どこに感動したのかが一目瞭然なのです。「鶏図押絵貼屏風」を見るとそれがよくわかります。鶏の尾が大胆に勢いよく描かれているのを見ると、この位置に筆を入れたときの緊張感と、上手く決まった時の陶酔感はえもいわれぬものがあったのだろうと感じられます。単に羽の一枚一枚を細かく描写しているのではなく、適材適所の表現のできる事が、伊藤若冲がこれだけ人気になった原因のひとつだと思いました。

今回の感想はここまでです。やや小規模ながらなかなか得るものの大きい展覧会でした。
次に行きたい展覧会は・・
・トーマス・デマンド展
・マウリッツハイス美術館展
・ベルリン国立美術館展
・クライドルフの世界展
とまた盛りだくさんです。正直金銭的に厳しいですが、見るものも学ぶものも多くて楽しい今日この頃です。

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