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作品うp用ブログ。 油彩・立体がメイン。美術に関するあれこれも書いていく。twitter⇒http://twitter.com/2501kai
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 雨の中、横浜美術館で開催中の「マックス・エルンスト」展に行って来ました。平日・雨ということもあって流石に人は少なかったです。ゆっくり鑑賞できました。

 フィギュアスケープというテーマで構成された今回の展覧会、版画から絵画、彫刻までを扱い、マックス・エルンストの作品内に現れるモチーフや風景を追っていくというものでした。私は、彼の作品では百頭女に代表されるコラージュ作品群が殊の外好きで、特に今回フロッタージュ(擦り出し)による博物誌シリーズを見られたことは感激でした。
 油彩作品などは特にフロッタージュを意識したようなタッチやテクスチャの違いが見られ、テーマであるフィギュアスケープと一緒に注目して作品を見てみるとなかなかに楽しめます。あと、コラージュや版画の影響も描き方に現れていたりします。彫刻だけは本人も、息抜きのようなものという記述があったように、そうした影響からは少々離れたところにあったようですが・・。
 また、自然への関心も興味深いものがありました。博物誌など自然をモチーフにした作品は勿論ですが、雲母の欠片を思わせるタッチが絵に表れていたり、フロッタージュを始めデカルコマニー(濡れた絵の具の上からガラス板を押し付けて染みを作る)、オッシレーション(穴を開けた缶に絵の具を入れたものを吊るして動かし、その軌跡を描く)といった技法が効果的に自然の描写に使われていることからも伺えます。そうした作品を作っている中で2度の大戦が起こり、彼にとってそれは耐え難いものだったと容易に想像できます。オカルト的な作品があるのも納得してしまいました。最終的に「美しき女庭師の帰還」「最後の森」「鳥」といった方向に表現が纏められていくのを見ていくとなかなかにドラマチックだなと思います。
いやぁ、やはり画家の一生を時代背景と共に追っていくのは楽しいですね。

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