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作品うp用ブログ。 油彩・立体がメイン。美術に関するあれこれも書いていく。twitter⇒http://twitter.com/2501kai
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新国立劇場で行われたオペラ、ローエングリン。ルサルカに続いてオペラ観劇は2度目になります。
今回の舞台はかなり斬新な演出がなされているようで盛大に期待しながら観劇したのですが、素晴らしいというか、“面白い”の一言に尽きました。
私はクラシックが苦手、というか寧ろ嫌いなジャンルで、途中で寝てしまわないか非常に心配だったのですが、最初から最後まで夢中になってしまいました。音が繊細!鳥肌が立つ!聞き終わった後も、腹の中でオケが奏で演者が朗々と歌ってる!!特にローエングリン役のまあなんと格好良いことか。声がイケメンというのはああいうのを言うのだろう。名前も素性もわからないけれどあなたは清らかですね!と納得せざるを得ない。
演出のほうも驚くようなギミックと表現の連発で、最後まで目が離せませんでした。また、途中大き目の地震に見舞われても動揺一つ無く演技と演奏をこなした関係者の方々、本当に尊敬ものです。最後まで上演できるのか一瞬不安になった自分が恥ずかしいくらい。
ああそれにしても舞台の感想ってどうやって書いたらいいんでしょうね・・・。非常に拙いですが、まあともかく最後まで楽しめる素晴らしい舞台でした。

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どちらも国立新美術館で開催中。

まずセザンヌ展の方から。
 いやあ混んでますね・・・小母様方がたくさんいらしていてまあ・・・。ちゃんと見るなら開館直後など早めに行ったほうがいいです。昼、しかも休日に行くものではないです。
 まあそれはともかく、今回セザンヌ展を見るに当たって、気にしていた事が1つありまして・・・今まで私は、恥ずかしながらセザンヌのどこが凄いのだか全くわからなかったのですね。実物を見る機会もなかったと言えばそうなのですが、今回折角まとめて現物を見られるので、それがわかるといいなあと思いながら見ました。
 あの画家、やっぱ凄いですね。
今では印象派だの抽象画なんてのはあって当たり前みたいなところがありますが、当時の時代背景と併せて考えると、まず印象派が出てきたこと事態がもう衝撃ですよね。しかしそこから更に発展し、セザンヌは自然の風景をきっかけにして色彩と形と構成、といった要素を使って純粋に絵を描く事を目指した・・・いや、キャンバスの上に絵の具を置くという行為から生まれる美を発見しようとした、と言った方が正しいでしょうか?まとめてああいった場で見ると、伝統的な絵画→印象派→セザンヌの真骨頂というように絵が推移して行ったのがよくわかります。ああ、こうやって近代の絵画が出てくるための橋渡しをしたのね、と。
 まあともかく、色彩と構成の妙とでも言うべき絵のオンパレード。大々的に広告されてる「りんごとオレンジ」のまあなんと美しいことか・・・色が本当に綺麗なんですが、印刷物で見るとまっっったくわかりませんね。つくづく、美術は実物を見なければ何もわからないと実感した瞬間でした。

お次はエルミタージュ美術館展。
こちらは何故か結構空いてました、まだ会期が十分にある事も原因でしょうけど・・・セザンヌ人気なんだなぁ・・。
 展覧会は所蔵作品を時代別に区分して見せるやり方でした。ルネサンスから20世紀美術までをカバーしています。個人的には、ルネサンス→バロック→ロココ→新古典主義、の流れが特に面白いですね。大人しく美しいルネサンスから、勢いのあるダイナミックな表現がしたい!とバロックになり、ちょっと味付けが濃すぎだから華やかな甘いものがいい!とロココへ、しかしちょっとやりすぎた感があってくどいから清楚なのがいいよね!と移ろっていったのがよくわかります。そこから、やっぱりダイナミックな強い表現がしたい!というロマン派が現れ、それが発展して印象派、乗り越えた先のナビ派、そこから更に発展したフォービズムやキュビスム、と見ていくことができました。
 また、この展示では見たかった絵が結構あって嬉しかったです。ベルナルディーノ・ルイーニ「聖カタリナ」、オラース・ヴェルネ「死の天使」、ジュール・ルフェーヴル「洞窟のマグダラのマリア」、これらの絵は女性が美しい!見惚れます。レオン・ボナ「アカバの族長達(アラビア・ペトラエア)」、ピエール・ボナール「早春(小さなファウヌスのいる光景)」、アンドレ・ドラン「港」は面白い表現だなあと感心してました。マティスの「赤い部屋」は流石というほかありません。タペストリーにしたい。
しかしセザンヌ展と一緒に見ると疲労感が凄いです。時間に余裕があるならそれぞれ別の日に見に行くべき。

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昨日に引き続いて美術館行きました。国立西洋美術館で20日まで開催中「ユベール・ロベール」展。いかにも良さそうな雰囲気でしたが、予感的中。素晴らしかったです。

 なんといっても、“魅惑の空間”と表現するのが正しいでしょう。絵の前に立つとまるで吸い込まれるようです。奥へ奥へと誘われるような極上の空気感がどの絵にも漂っています。
 ザンギーヌという赤チョークを使ったスケッチが多かったのですが、どれもが思わず足を止めてしまうほど魅力的。だいたい風景画って、近景を描いて遠景に意識が行かないものと、遠景を見せたくて近景にさほど意識を向けさせないものとあるじゃないですか。でも、この画家は近景から遠景へ、その空間の流れと広がりを描きたいのでしょう、どこも均等に愛情持って描かれています。
 陰影の描き方も広大な空間を描くことを強く意識していて、描く場所も建物の鋭く大きな影が落ちているところと日の強く当たるところとの対比の美しい場所が選ばれています。特に古代の遺跡を描いたものが多く、自然とうまく一体化していて、建物というよりは風景になっているんですね・・だから廃墟が好きなんでしょうか。

 この人の絵、見ていると、すっと絵の中に入っていきたい衝動に駆られます。まさしく、「二次元に行きたい」ってやつです。必見。

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 雨の中、横浜美術館で開催中の「マックス・エルンスト」展に行って来ました。平日・雨ということもあって流石に人は少なかったです。ゆっくり鑑賞できました。

 フィギュアスケープというテーマで構成された今回の展覧会、版画から絵画、彫刻までを扱い、マックス・エルンストの作品内に現れるモチーフや風景を追っていくというものでした。私は、彼の作品では百頭女に代表されるコラージュ作品群が殊の外好きで、特に今回フロッタージュ(擦り出し)による博物誌シリーズを見られたことは感激でした。
 油彩作品などは特にフロッタージュを意識したようなタッチやテクスチャの違いが見られ、テーマであるフィギュアスケープと一緒に注目して作品を見てみるとなかなかに楽しめます。あと、コラージュや版画の影響も描き方に現れていたりします。彫刻だけは本人も、息抜きのようなものという記述があったように、そうした影響からは少々離れたところにあったようですが・・。
 また、自然への関心も興味深いものがありました。博物誌など自然をモチーフにした作品は勿論ですが、雲母の欠片を思わせるタッチが絵に表れていたり、フロッタージュを始めデカルコマニー(濡れた絵の具の上からガラス板を押し付けて染みを作る)、オッシレーション(穴を開けた缶に絵の具を入れたものを吊るして動かし、その軌跡を描く)といった技法が効果的に自然の描写に使われていることからも伺えます。そうした作品を作っている中で2度の大戦が起こり、彼にとってそれは耐え難いものだったと容易に想像できます。オカルト的な作品があるのも納得してしまいました。最終的に「美しき女庭師の帰還」「最後の森」「鳥」といった方向に表現が纏められていくのを見ていくとなかなかにドラマチックだなと思います。
いやぁ、やはり画家の一生を時代背景と共に追っていくのは楽しいですね。

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やっと展覧会に行けました!最近はごたごたとしていて精神的に行ける余裕も無かったのですが、やっぱりいいですね。まだまだ行きたい展覧会がたくさんあるので、これからどんどん行く予定を立てないと会期が終わってしまう!


 国立科学博物館の「インカ帝国」展に行ってきました。
 ゴールデンウィーク後の平日だというのに結構人が入っていました。古代遺跡への関心が高いですね~。特に今回は実物のミイラが公開されているということで話題性もあるのでしょうが・・・ええ、ミイラ、ありました。数百年数千年の時を経て、現代に、当時亡くなった人達が顔を見せているという事実に不思議な感覚を感じずにはいられません。特に高い地位についていたわけでもない、普通の民の亡骸が、こうして権威ある場所で大切に保管される事になるなんて、当時の人達は考えもしなかったでしょうね・・。
 今回の展覧会で、私が特に注目したのは、織物、食器、アクセサリーなど。それらの造形技術、デザインセンスには度肝を抜かれました。これらが作られた時日本はまだ縄文時代。縄で文様施して凄いと言われていた時代です。現代に持ってきてもこれらのデザインは全く古さを感じさせない。食器に施された絵付けなど、少ない色数で非常に豊かな表現が成されていて、一つ部屋においてインテリアにしたいと思うほどでした。この文明がスペインに滅ぼされてしまったのが本当に残念でなりません。当時の金属細工の大半が鋳潰されてしまったなんて信じたくない・・・。
 そういった文化だけでなく、行政の方も相当整っていた様が解説されていましたが、あんな高地でよくもまああれだけ広大な領土を治められたものだと感心しました。アップダウンが激しい土地で、街道の整備なんかもしっかりやっていたというのだから驚きです。
 そんなわけで、展覧会全体のボリュームはなかなか、見ごたえがあります。映像も交え、最後の方は3Dシアターなども設けられていて結構楽しめました。しかしじっくり見たら時間かかりますねこれは。お勧めの展覧会です。


 インカ帝国展の前に、国立科学博物館で開催中の「世界の終わりのものがたり~もはや逃れられない73の問い」展にも行きました。
 随分前から目をつけていた展示で、いかにも面白そうだと期待して行きました。展示はかなり凝っていて、ピラミッド状のパネルに問いが書かれ、それに来場者が答えていくという形のものでした。この展示で一番の見所というか魅力は、他者と考え、他者の意見を見て、また自分で考える、という点にあると思います。提示されている問いには、今まで訪れた来場者の意見が残っています。
 例えば、「将来あなたがなんの病気になりやすいかがわかるようになったら、事前に知りたいと思いますか?」という問い。私達が行った時は知りたいと答えていた人が多数でした。どういった観点から、大多数の人が自分のかかりやすい病気を知りたいと思うのか、知りたくないと思ったのか、それを想像するのも楽しいですし、何より自分と一緒に来た人と話しながら互いの意見を交換できるという点がとても魅力的です。
 是非一人ではなく、誰かと一緒に行くことをお勧めします。生命倫理など、日常生活では普段あまり話題にならないテーマなので、そういった議題をきっかけにして、相手の意外な価値観がわかる、なんてこともあると思います。
 なにか技術を紹介するとか、珍しいものが展示されているとか、そういった展覧会ではなく多少面白みには欠けるかもしれませんが、タイトルにもあるように問題提起を目的としているので、非常に有意義な展示だと思います。もっともっと、この展示に行く人が増えればいいな・・・。

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三菱一号館美術館にルドン展を見に行ってきました。
ルドンは前期の黒い版画シリーズが断然好きだったのですが、この展覧会に行って色彩の画家としての本気を見た気がします。結局ルドンの作品は最後まで版画的な表現は残るのですが、一体何が起こったのかと思うほどに描く対象も表現方法もガラッと変わっているので興味深いです。
また、グラン・ブーケを見ても瞭然なように、パステルで描くのが性に合っていたらしく、油彩でもパステルで描いたようになっているのがおもしろい。自然にそうなったのか、それとも意図的であったのかは定かではないが、色彩の画家、と称されるだけの事はあり、花の絵などは1輪1輪の花の色を殆ど損なわずに、大切にしながら描いているような印象を受けました。
事前に調べていかなかったので、ムンクやゴーギャンなどの版画が来ていて驚きました。場所も場所ですし、作風も最初は少々不気味ですが、見ていて柔らかな気持ちになる作品ばかりなのでデートなどにはいいかもしれない・・。

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