作品うp用ブログ。
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Bunkamuraミュージアムで今月29日まで開催中のクライドルフの世界展に行ってきました。
夏休み突入ということで中高生やら親子連れが多かったですね。土日に行っていたらどうなっていた事やら・・。
展覧会は明らかに子供を意識した展示でした。入り口にも、顔を入れて写真を撮るあの・・・観光地とかでよく見るアレが置いてありました。中に入ると会場の至るところにクライドルフの妖精さんがいます。絵自体も見ていて飽きないので親子で見るにはうってつけですね。でも親子連れ意識した展示ならもう少し会期延ばしても良かったんじゃあ・・・。
ファンタジー・メルヘン系の作家は、過去にJ.J.グランヴィルの展覧会を見に行ったことがありますが、またあの人とは違った面白さがありました。グランヴィルはもっぱら風刺的な要素が多く、動植物を描いてはいますが人間の愚かさを表す為の手段としての側面が多く見られました。だからでしょうか、どことなく貴族的で華やかな印象もあります。
しかしクライドルフは、純粋な植物の擬人化に終始していて、描かれる擬人像もありのまま。庶民的といった感じがします。自然にあるそのままを、身近な人々そのままの姿に映して描いている、という印象でした。
等身大の自然と人間を描く、というので私がもう一つ思い出す作家は、シシリー・メアリー・パーカーです。花の妖精たちシリーズでおなじみですね。こちらの作品は同じく花と人を扱っていますが、花と、描かれる人(妖精)とは完全に別のもの。人と花と融合したモチーフでも、クライドルフは花の擬人像でメルヘン、シシリー・メアリー・パーカーは花の妖精でファンタジー、という比較ができると思います。
クライドルフは自然をありのままに描くような意識が見受けられるので、素朴で、可愛らしいだけでなく時には死や滅びといったテーマも出てきます。これは前述した二人の作家には見られない特徴です。また、構図や画面の装飾に工夫が見られ、正にアールヌーヴォー様式の絵本作家といったところでしょうか。描かれるテーマや構図に沿って画面の形を変える工夫はかなり参考になりました。時にその画面からも飛び出し、登場人物?達はそれぞれの性格まで非常に生き生きと描写されています。随所に遊び心も散りばめられ、神話や伝承から着想を得ている要素もあるため、1枚の絵をついついじっくりと見てしまいますね。
私は花だけを描いたスケッチが特にお気に入りでした、色彩が宝石のように輝いていて、クライドルフが植物の儚さを留めておきたいから花を描くという理由が本当によくわかります。留めておきたい美しさです。
この展覧会、Bunkamuraミュージアムでは今週末までですが、実は横浜のそごう美術館にも来年巡回してくるとの事。ウワアアアアもっと早く知っていれば来年まで待ってじっくり見たのにイィィィ!!!と思いましたが、おそらく展示の方法は美術館によって違う筈・・と納得しつつ来年来たらまた見に行くと思います。
ちなみにこの展覧会、図録に凝っていまして、とても可愛らしいです。ちょっと予想していた以上に高かったのですが、絵本も付録として付いていたので、まあ納得のお値段かなと思いました。
夏休み突入ということで中高生やら親子連れが多かったですね。土日に行っていたらどうなっていた事やら・・。
展覧会は明らかに子供を意識した展示でした。入り口にも、顔を入れて写真を撮るあの・・・観光地とかでよく見るアレが置いてありました。中に入ると会場の至るところにクライドルフの妖精さんがいます。絵自体も見ていて飽きないので親子で見るにはうってつけですね。でも親子連れ意識した展示ならもう少し会期延ばしても良かったんじゃあ・・・。
ファンタジー・メルヘン系の作家は、過去にJ.J.グランヴィルの展覧会を見に行ったことがありますが、またあの人とは違った面白さがありました。グランヴィルはもっぱら風刺的な要素が多く、動植物を描いてはいますが人間の愚かさを表す為の手段としての側面が多く見られました。だからでしょうか、どことなく貴族的で華やかな印象もあります。
しかしクライドルフは、純粋な植物の擬人化に終始していて、描かれる擬人像もありのまま。庶民的といった感じがします。自然にあるそのままを、身近な人々そのままの姿に映して描いている、という印象でした。
等身大の自然と人間を描く、というので私がもう一つ思い出す作家は、シシリー・メアリー・パーカーです。花の妖精たちシリーズでおなじみですね。こちらの作品は同じく花と人を扱っていますが、花と、描かれる人(妖精)とは完全に別のもの。人と花と融合したモチーフでも、クライドルフは花の擬人像でメルヘン、シシリー・メアリー・パーカーは花の妖精でファンタジー、という比較ができると思います。
クライドルフは自然をありのままに描くような意識が見受けられるので、素朴で、可愛らしいだけでなく時には死や滅びといったテーマも出てきます。これは前述した二人の作家には見られない特徴です。また、構図や画面の装飾に工夫が見られ、正にアールヌーヴォー様式の絵本作家といったところでしょうか。描かれるテーマや構図に沿って画面の形を変える工夫はかなり参考になりました。時にその画面からも飛び出し、登場人物?達はそれぞれの性格まで非常に生き生きと描写されています。随所に遊び心も散りばめられ、神話や伝承から着想を得ている要素もあるため、1枚の絵をついついじっくりと見てしまいますね。
私は花だけを描いたスケッチが特にお気に入りでした、色彩が宝石のように輝いていて、クライドルフが植物の儚さを留めておきたいから花を描くという理由が本当によくわかります。留めておきたい美しさです。
この展覧会、Bunkamuraミュージアムでは今週末までですが、実は横浜のそごう美術館にも来年巡回してくるとの事。ウワアアアアもっと早く知っていれば来年まで待ってじっくり見たのにイィィィ!!!と思いましたが、おそらく展示の方法は美術館によって違う筈・・と納得しつつ来年来たらまた見に行くと思います。
ちなみにこの展覧会、図録に凝っていまして、とても可愛らしいです。ちょっと予想していた以上に高かったのですが、絵本も付録として付いていたので、まあ納得のお値段かなと思いました。
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